胃粘膜修復薬【胃腸の病気】


胃粘膜修復薬は、十二指腸や胃の消化性潰瘍は、粘膜に対する塩酸、ペプシンを中心とする攻撃因子と、粘液、粘膜およびそれを支える血流などの防御因子との平衡が破れたときに生じると考えられていますが、この攻撃因子に拮抗するための薬物療法として、制酸薬、抗コリン作動薬が用いられてきました。


胃内容物の水素イオン濃度は普通1から2ですが、胃液の存在は消化性潰瘍の治癒を遅らせ、胃痛の発生の原因になります。

制酸薬は胃液のpHを約4まで上昇させるのが理想です。胃液を完全に中和しますとペプシンの持つ消化力が低下しますし、胃液の分泌を高めるおそれがあります。


炭酸水素ナトリウム(重曹、NaHCO3)は速効性のすぐれた中和薬ですが、これを大量にとりすぎますと、普通は緩衝系により一定のpH(7.4付近)に保たれている体液がアルカリ性に傾き(全身性アルカローシス)、食欲減退、脱力感、腎障害などの症状を起こす場合もあります。


塩酸とは、との中和で発生する炭酸ガスが、塩酸分泌を刺激するとも言われています。重曹アルカローシスは、1日6g以上もの大量を服用しないと起こりませんが、制酸薬の場合も、定められた用法、用量を守らねばなりません。

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