胃腸薬の種類

胃腸薬の種類

健胃薬

食欲不振の時に用いて胃の蠕動と胃液分泌を促進させる薬物で、健胃生薬がこれに属します。

芳香性、苦味性、辛味性の生薬があります。いずれも口腔および胃粘膜を刺激して反射的に唾液の分泌や胃の機能を高めます。


消化薬

消化薬とは、胃腸管における消化吸収過程を促進するための薬物です。従って、消化管の食物消化に働く消化酵素のうちのどれかが欠けた場合に用いることもあります。

一般に消化液の分泌不足による消化不良や過食の後に用いられることが多いです。

消化酵素薬には、胃液の強い酸の中でもたん白質消化作用を示す耐酸性のヒロターゼ、耐酸性の脂肪消化酵素リパーゼAを含む製剤や、胃液の作用による不活性化を製剤技術(腸溶性コーティング)により防いだ製剤があります。

また、でんぷん、タンパク質、脂肪および繊維素のいずれをも消化する耐酸性の消化酵素で、胃内でも、また腸内においても消化作用をあらわすマミターゼを含む製剤もあります。


胃粘膜修復薬

十二指腸や胃の消化性潰瘍は、粘膜に対する塩酸、ペプシンを中心とする攻撃因子と、粘液、粘膜およびそれを支える血流などの防御因子との平衡が破れたときに生じると考えられていますが、この攻撃因子に拮抗するための薬物療法として、制酸薬、抗コリン作動薬が用いられてきました。

胃内容物の水素イオン濃度(pH)は普通1から2ですが、胃液の存在は消化性潰瘍の治癒を遅らせ、胃痛の発生の原因になります。制酸薬は胃液のpHを約4まで上昇させるのが理想です。胃液を完全に中和(pH7.0)しますとペプシンの持つ消化力が低下しますし、胃液の分泌を高めるおそれがあります。

重曹アルカローシスは、1日6g以上もの大量を服用しないと起こりませんが、制酸薬の場合も、定められた用法、用量を守らねばなりません。


鎮痛鎮痙薬

胃腸管の平滑筋の緊張が亢進し痛みを感じる場合、この平滑筋の状態を痙攣と呼びます。胃腸鎮痛鎮痙薬としては、副交感神経抑制薬と平滑筋を直接弛緩させる薬物があります。

ロートエキス、はアトロピン、スコポラミンおよびヒロスチアミンなどを含むベラドンナアルカロイドで副交感神経の節後線維から効果器官へのインパルスを抑制します。その結果、消化管においては、緊張と運動が抑制され、消化液の分泌も抑制されます。

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