胃・十二指腸憩室

胃・十二指腸憩室とは

胃・十二指腸憩室は、胃壁や十二指腸壁の一部が袋状に拡張して突出したものです。単発であることが多く、大きさは胃憩室は1〜7cm、十二指腸憩室は1〜3cmです。胃憩室は、その他の消化管憩室に比べて頻度が低いのですが、十二指腸憩室は胃憩室よりも頻度が高く、加齢とともに増え、増大する傾向があります。

胃憩室の好発部位は、噴門部後壁と幽門前庭部です。噴門部では先天的なものが多く、幽門部には後天的なものが多くみられます。噴門部は、胃の筋層が薄く解剖学的に弱いうえに圧力がかかりやすい部位なので、胃憩室が発生しやすいといわれています。幽門部は、胆嚢や膵臓などの周囲の臓器の炎症や癒着による牽引、迷入膵の陥凹などによって胃憩室が発生します。

十二指腸憩室の好発部位は十二指腸下行脚で、ほとんどは十二指腸壁が脆弱なファーター乳頭付近に発生します。多くが腸管外に突出した管腔外型十二指腸憩室ですが、まれに十二指腸腔内に袋状に下垂する先天性の管腔内型十二指腸憩室があります。



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